アレルギー講座

子どもの全身にときどき蕁麻疹のようなものが出ます。
すぐに消えるので病院に行きそびれていますが、どのように対処すれば良いでしょうか。

蕁麻疹は原因不明のことが多いのですが、温熱・寒冷・日光・運動(発汗)などの物理的刺激で出ることがあり、眼瞼や口唇が腫れる血管性浮腫(クインケ浮腫)を合併することもありますので、どういうときに出るのかを知っておく必要があります。可能なら蕁麻疹を写真に撮ってください。アレルギーが疑われる場合は血液検査や皮膚テストを行って、原因が判明した場合は除去します。
お子さんは「コリン性蕁麻疹」かもしれません。治療には抗ヒスタミン剤(必要時ステロイド剤)を用いますが、まずは皮膚は清潔にしてUVケアを行うなど、スキンケアに努めてください。今のところ皮膚症状だけで、他の症状はないようですから、生活リズムを整え、ストレスを避け、休養と睡眠を十分とるようしましょう。症状が落ち着くまで、食事は仮性アレルゲンと呼ばれるヒスタミンやアセチルコリンなどを多く含む食物の摂取を制限することが望まれます。

喘息の疑いがあると診断されたのですが、普段の生活で何を気をつければいいですか?
水泳が良いと聞きますが、そもそも治る病気なのでしょうか?

乳幼児期は気道が細いためウイルス感染にともなって咳や喘息を認めることが多いので、喘息が疑われた場合は、血液検査や皮膚テストでアレルギー体質の有無やその原因を調べることが望まれます。基本的にはまず体を鍛え、規則正しい生活を送って発作を予防することが大切です。
水泳は自分自身が水中で呼吸することを意識しますので、鍛錬として好ましいもののひとつですが、消毒液による眼鼻のトラブルがある場合は避けて下さい。
何より鍛錬は続けることが大切ですから、好きなスポーツであれば何でも構いません。スポーツクラブに入会しなくても、鬼ごっこやボール遊び、なわ跳びなど、お母さんが一緒にやれば普段の遊びも鍛錬になります。
薄着の習慣や風呂上がりの水かぶり(ぬるま湯も可)など、自律神経の鍛錬もあわせて行うと良いでしょう。もちろん室内の環境整備や寝具の手入れにも力を入れることを忘れてはいけません。
なお、小児の喘息には、一応「治癒」の基準があります。

アトピー性皮膚炎の予防に保湿は大切だと聞きますが、やりすぎということはありますか?

赤ちゃんは「胎脂」という油分に包まれて生まれますが、お母さんからのホルモンの影響もあって、その後、急激にドライスキンが進み、生後4ヵ月頃には皮脂の量は成人の半分ほどに減少します。春生まれよりも秋生まれにアレルギー児が多いのも、ひとつはこのドライスキンの存在と冬場の乾燥が原因と言われています。
近頃はアレルギー疾患の発症が皮膚の感作からも起こることが知られ、今では予防の一環として出生後から保湿ケアを積極的に指導することもあります。ただし、アレルギー素因を持つハイリスク児に新生児期から十分な保湿をしてアトピー性皮膚炎の発症を抑えられたという報告はありますが、普通児の場合はどうなのか、またいつまで保湿をすれば良いのかなどはまだわかっておりません。
保湿はあくまで皮膚の状態を見ながらやるものですから、感染や汗疹などの変化を見ていれば、やりすぎることはないと思います。なお、保湿剤は肌に合ったものであれば、市販のものでもかまいません。

食物アレルギーの出やすい食材(牛乳・卵など)は、食べはじめるのが早くても遅くても良くないと聞きました。何ヶ月頃からあげるのが良いのでしょうか。

一般に離乳食の開始は生後5ヶ月、体重7kgほどが目安とされていますが、未熟な腸管に異種のタンパクが入ることも食物アレルギー発症の一因(経腸管感作)となるため、食物アレルギー児では離乳を急がず、主要な原因食物である牛乳・卵などは予防的に遅らせるように指導されることが多かったのです。
しかし今では湿疹・皮膚炎などからの経皮感作が重視されており、治療のために原因食物を除去し摂取開始を遅らせるのは別として、予防的に離乳食を遅らせる必要はないとされています。
ただ、本人のアレルギー素因の強弱や症状の有無、あるいは食物アレルギーを予防・軽減する母乳中の免疫成分の量など個々の要因も大きいので、一律に決めることはできません。家族にアレルギー疾患がある場合は本人に皮膚症状や消化器症状(下痢・おう吐・ミルク嫌い・体重増加不良など)や呼吸器症状(咳・喘鳴など)を認める場合は事前に検査し、主治医の指導を受けると良いでしょう。

アレルギーのある食材は、食べさせないのではなく、少しずつあげてならしていくほうが完治に有益と聞きましたが、本当ですか?

食物アレルギーの治療の基本は原因過敏食物の除去ですが、乳幼児期の食物アレルギーは腸管の消化吸収機能や免疫機能の発達により、加齢にともなって耐性を獲得することが知られており、例えば卵の場合だと小学校入学までに90%以上の子どもが加熱卵を食べられるようになります。
通常は治療を開始して半年ほどしてから経口負荷試験を行い、様子を見ながら摂取量・摂取回数を増やす「緩速減感作」が行われます。
ところが、大きくなっても治る様子がない症例や強い症状が誘発される症例に対しては、積極的に食べさせながら耐性を導く、ご質問の「急速減感作」療法が試みられています。この治療は昔からある方法で私も試みたことがありますが、大量に、頻回に原因食物を負荷するため、重篤な過敏症状が誘発されやすく、入院して行うのが普通です。現在ではまだ症例を絞って研究的に行われている段階であり、自然治癒が期待できる症例に安易に試みるほど確立した安心・安全な治療法ではありません。


牛乳やバターが顔につくと赤くなってしまいます。食べるのは平気なのですが・・・。
これもやっぱりアレルギーなのでしょうか。

お子さんにはアレルギー体質があるかもしれません。
一般に食物アレルギーの患者さんは、原因食物を摂取すると皮膚や消化器、呼吸器などに反応が出ることが多いのですが、アレルギー検査では直接食べさせる経口負荷試験の代わりに、簡便な血液検査や皮膚テストが行われます。しかし検査結果と実際に食べた場合の反応が一致しないこともあります。例えばエビは食べられるのに、調理の際にかゆみなどが出てエビの皮むきができないという方もおられるのです。このような症状の食い違いがある場合は、アレルゲンの侵入経路、この場合なら「皮膚」のケアをする必要があります。
ある石けんを使っていた人たちが、小麦を食べてアレルギー症状を誘発するようになったことは記憶に新しいところですが、皮膚からのアレルゲンの侵入によって食物アレルギーになりうることは「皮膚感作」として知られていますので、触れた場合は手洗い、洗顔をお願いします。特に皮膚に炎症がある場合は、必要に応じて軟膏の塗布を行ってください。必要なら専門医にご相談ください。

子どもの鼻炎をきちんと治療しないと、大人になってから喘息になると聞いたことがあるのですが、本当ですか?

子どもの鼻炎がすぐに喘息になるというわけではありませんが、私たちは鼻から肺までを同じ空気の通り道(気道)と考えており、両者に関係が深いのは事実です。
アレルギー症状の出やすい部位が加齢とともに皮膚から呼吸器、眼・鼻へと変わっていくことは「アレルギーマーチ(行進)」として知られていますが、鼻炎症状が強くて鼻水が喉のうしろに落ちたり(後鼻漏)、鼻がつまって「口呼吸」が目立つ場合は、単なる風邪と思い込まずに、一度鼻水を調べてもらう(鼻汁エオジン染色)と良いでしょう。
家族内(三親等)にアレルギー患者がいたり、「風邪をひきやすく、長引く」「急な温度変化・温度差に弱い」「運動すると咳や喘鳴が出やすい」など気道過敏性が亢進している場合は、さらなる検査が望まれます。
大人の気管支喘息は必ずしもアレルギー素因が関与するわけではありませんが、小児のアトピー型の気管支喘息の大半は就学前に発症しますので、気管支喘息が疑わしい場合は、気道ができ上がる小学校低学年までに発見、コントロールしたいですね。

5歳の娘のアレルギー検査をしたところ、卵白・牛乳が陽性でした。
数値は3と弱いのですが、症状がなければこのまま食べ続けても大丈夫ですか?

血液検査はアレルギーの有無やその程度を調べるための手段のひとつです。
検査項目に陽性であればアレルゲンに感作されていることは確かですが、誘発される症状がなければ摂取しても大丈夫だと思います。例えばスギ花粉の検査が強陽性でも、スギの飛散時期になんの自覚症状もない人が少なからずおられます。ただし食物アレルギーの症状は皮膚や呼吸器・消化器・精神神経と多彩ですから、お母さんが大丈夫と思っているだけで、実は・・・ということがないとも限りません。
遅延型の反応は、医師でも見落とすことがあります。心配であれば、念のため過敏食物を2週間ほど除去し、その後に食べさせて除去前後の症状の変化を確認する「除去負荷試験」をしておくと安心です。
もう1~2年すれば、消化・呼吸の機能が高まりますから、それまでは体調を見ながら週に1~2日の食休み(牛乳や卵を意識して毎日は摂らない)を心がけておくと良いでしょう。

ダニやハウスダストのアレルギーと診断された息子。
何に気をつければいいですか?

室内の環境整備で大切なのは、ダニ、ハウスダスト、カビ対策です。アレルギーの原因となるダニはホコリやフケなどを餌にしていますが、生きているダニだけでなく、そのフンや死骸が問題ですので、まず室内を掃除しやすいように整理整頓して下さい。
額縁、ポスター、ぬいぐるみ、観葉植物など余計なものは置かず、ソファは布製を避け、カーテンも薄手の洗いやすい素材にします。床は可能ならカーペットを用いず、フローリングにしましょう。換気をマメに行い、浴室や押し入れなどの湿気にも配慮してください。エアコンの排気口は使用前によく掃除し、暖房器具は「結露」をまねきやすい石油やガスなどの化石燃料のものより、電気のものが望まれます。
一番大切なのは、子どもたちが長時間接する寝具です。布団はよく日に干し、叩いて取り込み、掃除機をかけてください。
アレルギー専用の布団や布団カバーもありますので、余裕があれば検討してみては?
また、皮膚に湿疹がある抗原は炎症部位から侵入しますので、あわせてスキンケアもきちんと行ってください。

食物アレルギーの原因は? どんな症状がでますか?

平成21年度の日本保育園保育園保険協議会の全国調査では、食物アレルギーの有病率は、0歳児が7.1%、1歳児が9.2%、2歳児が6.5%、3歳児が4.7%、5歳児で2.5%と報告されており、成長するにつれて徐々に低下してきます。
原因となる食物は、学童期までは鶏卵、牛乳・乳製品、小麦などが多く、思春期以降は甲殻類、ソバ、ピーナッツ、果実などが増えてきます。
よく見られるのは皮膚、呼吸器、消化器症状ですが、食物アレルギーでは全身に症状が出ます。皮膚症状ではかゆみや紅潮をはじめ、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎など、呼吸器症状では鼻汁・鼻閉、咳、喘鳴、呼吸苦、胃腸症状では腹痛、悪心、おう吐、下痢、泌尿器症状では血尿、尿蛋白など。さらに頭痛やめまい、視力・聴力障害、脱力感・・・など多彩です。
短時間のうちに全身症状が現れ、命を落とすこともあるアナフィラキシーショックが注目されがちですが、「アレルギー性筋弛緩症候群」と呼ばれる精神症状や行動異常などにも注意が必要です。

アレルギーは遺伝しますか? また、食事の注意は必要?

アレルギー疾患は遺伝的な要素が大きく、両親がアレルギー疾患を持つ場合は70%、片親だけの場合でも40%の子供に発症するとされています。しかし、両親にアレルギーがなくても約15%に発症することが知られており、環境的要因も重視されています。

アレルゲンの主な感作経路として、母親の体内での「経胎盤感作」、母乳や離乳食による「経口感作」、ダニや花粉などの経鼻感作のほか、皮膚のバリア機能が低下した湿疹部位からの「経皮感作」などが知られます。
家系的にアレルギー疾患が心配な場合、授乳中のお母さんには和食中心の食事を心がけてもらいますが、離乳開始は、生後5ヶ月、体重7kgほどを目安とし、特に遅らせる必要はありません。離乳は体調を見ながらゆっくり進めますが、母乳が不足する場合は、アレルギーの原因を作りづらいペプチドミルクを飲ませる場合も。
バランスの良い食事を心がけ、自己判断でタンパク源を制限する必要はありません。
食事だけでなく、しっかり環境整備やスキンケアをしてください。

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